交通トリビア

一発試験(飛び入り)大型免許は場内試験のみだった!?

路上試験なし(免許試験場受験のみ)

この車両で場内試験をしていた
クリックで拡大 私は5回目で合格しました

現在の中型一種の車両に該当します。2007年(平成19年)の6月1日まではこの車両が大型一種の車両でした。

路上試験がなかったため、仮免許を取得する必要がありませんでした。画像が荒くて見えにくく申し訳ありませんが、ナンバープレートはネジが4つです。

なので、当時は紛れもなく大型車両扱いでした。私も2005年(平成17年)に免許試験場で大型免許を取得しました。その経験談です。

この試験車両は、ほぼ4tトラックサイズであった

これが4t(積載量)トラック

当時の普通免許で乗ることができていた、いわゆる4t(積載量)トラックとそれほど車体の長さなど変わりがなかったのです。

なので、普通免許で合法的に4tトラックを運転していた人は、普段の運転で試験車の練習ができていたということです。( ゚Д゚)なんでそんな小さい車両が大型試験車なの!?

道路交通法で、大型車と普通車が分割された頃からの決まりが2007年まで残っていたことが原因です。

ちなみに大型車と普通車が分割されたのは1956年(昭和31年)のことでした。実に50年、半世紀前の取り決めだったのです。その頃の大型車であると聞けば、納得でしょうこちらもどうぞ。

当時の試験内容

当時はこのダブルキャブはなかった

指定速度での走行、周回コースの走行、障害物の走行、信号交差点の通過、S字クランクの走行、坂道の停止及び発進方向変換及び縦列駐車踏切通過、指定場所一時停止箇所、発着点

この場内課題をこなして、70点以上の持ち点があれば合格となり、免許証は即日交付されました。(‘Д’)即日交付!?今とは全然違うんだ!

中型免許ができる以前の免許証

現在の大型免許は

全長12mのフルサイズ

まず、一目で分かりますが、車両が変わりました。時代に即するべく、正真正銘の大型車サイズに変更されました。

全長12mという、これも道路運送車両法上限の大きさです。受験手数料も4400円から1万円を超えました(現在は異なります。)。

試験内容

仮免許取得

大型仮免許

路上試験が必須になりましたので、まず、大型仮免許を取得することになります。

試験内容は、指定速度での走行、周回コースの走行、障害物の走行、信号交差点の通過、S字クランクの走行、坂道の停止及び発進踏切通過、指定場所一時停止箇所、隘路への侵入路端への停止及び発進発着点

この場内課題をこなして、60点以上の持ち点があれば合格となり、免許証は即日交付されます。

路上練習

高速自動車国道及び自動車専用道路以外の道路で、次の練習細目を漏れなく練習しないといけません。

  1. 運転姿勢を正しく保つこと。
  2. 乗降口のドアを閉じ、後写鏡を調節する等安全を図るため必要な措置を講ずること。
  3. 道路及び交通の状況に応じ、ハンドル、ブレーキその他の措置を確実に操作すること。
  4. 信号並びに道路標識及び道路標示による交通規制に従うこと。
  5. 歩行者を保護する等交通の安全を確保すること。
  6. 通行区分等を守ること。
  7. 他人に危害を及ぼさないような速度、車間距離及び側方間隔を保つこと。
  8. 合図の方法を守ること。
  9. 交差点における通行方法を守ること。
  10. その他道路交通法第108条の28第4項に規定する教則の内容となっている事項を守ること。
  11. 人の乗降のための停車及び発進を安全に行うこと。(二種免許を受験する方のみ。)
  12. 普通第二種免許を受けようとする者にあっては、転回を安全に行うこと。
クリックで拡大 路上練習申告書

警視庁より引用

これらの路上練習が終われば(過去3か月以内に、5日以上)、路上試験を受験することができます。上の『路上練習申告書』を作成してからの路上試験の受付が可能になります。

路上試験

クリックで拡大

ここにきてやっと、路上試験を受験することができます。すぐに路上試験に出発しません。まず、受験者のみきわめも含めて、方向変換及び縦列駐車が行われます。

この際、後ろのポールに50cm以内に合わせる課題『後方間隔』が採点されます。この『後方感覚』の課題は2022年5月13日に廃止されました。

ドキドキの路上試験に出発!

この時点で70点以上の点数が残っていればいざ、路上試験に出発です(免許試験場ですので、この時点で不合格になる方も多いです。)。

大型免許の路上試験内容は、走行距離5km以上。信号通過または一時停止箇所の通過。明確な進路変更を伴う右左折。信号のない横断歩道の通過。

これらをこなして70点以上の点数が残っていれば、晴れて合格となります。(^^)おめでとうございます!

まだ免許証は交付されません

取得時講習

画像はイメージです

この講習を教習所で受験しないと、本免は交付されません。あらかじめ教習所に予約を取っておき、講習を受けてからでないと『試験合格後の免許証交付前の運転』として、無免許運転になりますので注意です。

( ゚Д゚)これだけ頑張ったのにまだ交付されないの!?

大型車講習:4時間、料金17,800円
普通免許、準中型免許、中型免許不保持の場合は応急救護処置講習一:3時間、4,200円

免許証交付

講習修了証を持参して、免許試験場に戻ってやっとこさ免許交付です。これで晴れて、トラックは最大積載量無制限で運転することが可能です。

長い道のりでしたが、現在大型一種免許を免許試験場で取得するには、この方法しかありません。2007年まではいかに取りやすかったか分かって頂けたでしょう(^^)私も取っておいてよかったです。

まとめ

  • 大型一種免許は2007年を境にガラッと変わった
  • 車両のサイズが大幅に大型化された
  • 旧法は路上試験がなかった
  • 新法で路上試験が追加された
  • 仮免許の取得が必須に
  • 取得時講習も必須に
ABOUT ME
交通トリビア研究所
こんにちは。教習指導員になってはや十数年。 過去にバイク事故で重傷を負った経験がある、現役の教習指導員です。 あの時、命拾いしたのも、この仕事に就いて安全運転を教えなさいと神様に言われたような気がします。 こんな私ですが、ブログを通じて、皆さんに安全運転の大切さを発信していきます。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA