交通トリビア

車間距離について

走行中、後ろの車の車間距離が近いなと思うことはありませんか。私は結構あります。すごいプレッシャーですよね。では実際どれくらいの車間距離で走行すれば安全なのか考えていきましょう。

車間距離はマナーではなく、ルール

道路交通法によると、車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいても、これに追突するのを避けることができるため必要な距離をこれから保たなければならないとしています。(道路交通法第26条第1項。)

また、あおり運転のきっかけにもなります。

これに反すると車間距離不保持という交通違反になります。(普通車、高速道路で点数2点、反則金9000円、それ以外の道路で点数1点、反則金6000円。)

停止距離

例えば40km/hで走行中に思い切りブレーキを踏み込んで車が停止できる距離は22mであるといわれています。60km/hであれば44mです。

ただしこの場合、運転手が事前に急ブレーキを踏む心の準備をしていて、せーのでブレーキを踏みます。しかも路面状況も乾燥路面といって雨も凍結もない道路での数字です。

実際の場面では急ブレーキを踏む準備もしておらず、雨天での運転もしなければいけません。停止距離には空走距離制動距離があります。

前者は危険を感じてからブレーキが利き始めるまでの距離(運転者が脇見などをしていると伸びる距離。)で、後者はブレーキが利き始めて車が停止するまでの距離(雨が降っている時やタイヤが擦り減っている時に延びる距離。)なので実際ではこの数字より多く取る必要があるのです。

車間距離を時間で計る

では走行中にいくら車が進むのか。40km/hの時は1秒で11.1m進むので2秒で22.2m進みます。同じく60km/hの時は2秒で33.3m進みます。

一般道であればこの範囲の速度域ですので、2秒は個人的に少し近い気がするので、前を走る車と3秒以上離れておけば安全であると言えるでしょう。

時間をどのようにして計るかは、前の車が通過した地面のマンホールや横の電柱などを目安にしてタイミングを計ると良いでしょう。慣れてくれば意識して数えなくても大体3秒は取れてきます。

高速道路であれば多くの場合、道路標示やデリニエータ(道路の側端に設置されているポール。)で距離として測りやすくしてくれています。

岡山県ホームページ

教習所で教える必要車間距離は、一般道であればスピードメータが指している速度から15を引いた数としています。

高速道路であればスピードメータが指している速度をそのまま距離に置き換えた数字(上図参照)としています。なので教習所で習う車間距離以上を取っておれば安全だと言えるでしょう。

そもそも意味がない

車間距離ほど詰めて意味のないもの程ないと私は考えます。そんな前車と離れていたら割り込まれてしまうではないかとか、急いでいるのでついつい詰めてしまうとか聞きます。

確かに割り込まれ方によったら腹が立つ時(あおり運転の引き金にも)もありますが、すんなり入られたらそれ程腹も立ちません。

割り込まれたらまたその車から離れたらいいだけですし、車間距離を空けておいた方がクッションになって渋滞が起きにくいとの研究結果もあります。

高速道路で全車が自動運転になってゆっくり走った方が渋滞もなくなって早く目的地に着くんですね。追突事故の占める割合も全事故中40%に上っています。

まとめ

  • 車間距離は距離よりも、時間で測る
  • 車間距離を詰めても早く着くどころか渋滞を招く
  • 前車に多大なるプレッシャーを与えることになる
  • 最悪追突事故の原因となる
  • 違反行為である(マナーでなく、ルールである)

皆さん、車間距離をしっかり空けて安全運転に努めましょう。

ABOUT ME
交通トリビア研究所
こんにちは。教習指導員になってはや十数年。 過去にバイク事故で重傷を負った経験がある、現役の教習指導員です。 あの時、命拾いしたのも、この仕事に就いて安全運転を教えなさいと神様に言われたような気がします。 こんな私ですが、ブログを通じて、皆さんに安全運転の大切さを発信していきます。

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