1991年(平成3年)11月1日から
それまで普通自動車の運転免許を取るとなると、当たり前のように全員がMT車に乗って教習を受けていました。
教習所内あちこちでエンスト、その後ろから来た教習車もエンスト汗今では考えられません(^^)。
昔は免許を取りたかったら、暇と金がないと取れないなんてことも言われていました(最短時限数で卒業することが難しかったのです)。
2022年(令和4年)現在、私の教習所ですと、ATとMTの比率は8:2くらいでしょうか。所有する教習車もAT車の方が断然多いです。
教習生手帳の色をMTとATで分けているのですが、学科で集めるときにほとんどAT車の方です(^^)
AT限定免許が創設された背景
昭和から平成に入り、車も時代とともに進化していきました。トランスミッションも昔は当たり前だったMTから替わって、便利で快適なATに急速に置き換わっていきました。
この頃の街中の車の多くはAT車に置き換わっていたので、法律としてもこの時代の流れには逆らえずにAT限定普通免許制度が実施されました。
教習時間が短縮
AT限定免許は、通常のMTと違って教習時間が短縮されます。MTは一段階15時間、二段階は19時間、学科26時間の合計60時間です。
(基準時間)一方、ATはというと一段階12時間、二段階19時間、学科26時間の合計57時間です。(基準時間)3時間少なくて済みます。教習料金も安くなるのが通常です。
すごい人気
というか、2022年(令和4年)現在、普通免許イコールAT限定免許。これぐらい定着しています。
AT限定しか取り扱わなくても運営が成り立つでしょう。当たり前の選択肢になってきています(^^)。
確かに、運送会社や自動車整備士を目指すなどの余程の目的がない限り、MT車の免許を取る必要性はかなり少ないんでしょう。
MT免許は無くなりはしませんが、時代とともに確実に廃れていってます。少し寂しい気もします(´Д⊂ヽ。
二輪免許でもAT限定が存在
2005年6月1日より二輪車においてもAT限定免許制度が発足しました。やはり、時代の流れに法律を合わせた内容です。
巷のバイクのAT車の割合が高くなってきた時期でした。
125ccまで乗れるAT限定小型二輪免許、400ccまで乗れるAT限定普通二輪免許、650ccまで乗れるAT限定大型二輪免許が新設されました。
通常、大型二輪免許は排気量無制限ですが、それは排気量700ccを超えるバイクを使用したときの要件が必要です。
2005年当時の市販AT車の最大排気量が650cc(スズキスカイウェブ650)だったため、排気量制限が付きました。
ただし、この排気量制限は2019年12月1日以降撤廃されました。
二輪も教習時間が短縮
普通車と同様に、二輪車においてもAT車は教習時間が短縮されます。画像の通り、普通二輪免許の場合、技能教習は4時間短縮されます。
それに伴い、費用も安く抑えることができます。
ただし、普通車と違って、二輪車はただAT車だというだけで操作が容易かというと、そうではありません。
ギアチェンジ操作から解放されるのは確かですが、二輪免許独特の課題をこなす上では逆に不利になってしまうことも。
例えば、一本橋。一本橋を安定して渡ろうとするには、こちらでもあるとおり、タンクを足でしっかりホールド(ニーグリップ)する必要があります。
しかし、AT二輪にはこのタンクがありません。バランスが取りにくいのです。
さらに、ギアチェンジから解放されることがメリットだったATであること自体が不利になってしまうのです。
AT二輪車は普通車のように強力なクリープ現象(ギアが入っている状態で勝手に進む現象)がありません。
なので、一本橋に乗ったときについアクセルを戻してしまうと、動力が失われ失速して脱輪。このようにAT二輪車は、教習の課題をこなす上で非常に不利だったりします。
教習生の方の中にはこの特性が厄介で、AT二輪で入校したことを後悔している人もいる程です。
まとめ
- 普通車のAT限定免許制度が始まったのは1991年(平成3年)
- 二輪車のAT限定免許制度が始まったのは2005年(平成17年)
- AT限定大型二輪免許は当初、排気量制限が存在したが、後に撤廃
- いまや普通車のAT限定免許は当たり前
- AT二輪車はその特性上、課題をこなす上で不利